02.北千住のディープなサブカルに触れる
北千住。と、ググると必ず治安悪いが真っ先に出てくるくらい怪しげな街、北千住。
前に北千住の不動産屋でお部屋探しをしていたら、腕に立派な刺青の入った三人組がお客さんとして入ってきてびくびくした思い出があるので、あながち間違ってはいないのでしょう。
彼らは三人組で、兄貴分の二人が弟分の部屋を探してあげているらしく、「お前収入ないんだからよー」って言ってた∑(゚Д゚)
彼らが無事収入なくても住める部屋を見つけられたかどうかは謎ですが。
そんな北千住のディープな飲み屋街のさらにディープの核心地に行ってきました。
北千住駅の西口にある飲み屋横丁。
こまごまとしたのんべえの店やらオサレな店やらウッフンな店やらが所狭しと並んでいます。
場末感たっぷり。女子一人じゃ歩きにくいかも。
のど自慢パブ!ここでなら誰でも合格の鐘が鳴りそうだわ…
で、お目当てはこちら。
壁一面のチラシやポスター。
怪しげな行燈。ひび割れた壁。
飲み屋横丁のかどっこにある、ちっちゃな博物館。
昭和サロン 小柳さんです。
開けっ放しのドアからおそーるおそる店内を覗くと、マスター風のおじさんが「あっ、君たちは運がいい!こんなに早い時間から空いてるのは珍しいから!入って入って!」と、招き入れてくれました。
お店のなか。友達の家に遊びに来たみたいな感じです。てか、ここ何屋さん?
ギリギリ二人がけのソファ(ゴミ袋がカバー)に座り、ドリンクを選びます。なんと居酒屋!?
友達はウイスキー、わたしは葛湯をオーダー。恐ろしい火力のガスコンロでお湯を沸かすマスター。
ソファの横。おびただしいポスターの数。なぜかカラオケ装置もある。
マスターは目が合った瞬間からずーっと何かを話し続けています。彼は超個人的なコレクターで、レコードやらガロやら平凡パンチやら東京五輪の時のハガキやら、第一回隅田川花火の記念品やら篠山紀信の若かりし頃の写真集やら、竹下夢二のふろくやら、ドラゴンボールのセル画やら、素晴らしく脈絡のないコレクションを惜しみなく見せてくれます。
色々な美術館や博物館の展覧会にも協力していらっしゃるようで、知識が豊富!そしてこんなにゴチャゴチャのお店で、ちゃんとものの場所を把握している。
由緒ある美術品とはちがうけど、その時代の文化を表す貴重なものたちを中学時代から集めているそうです。話している姿は、子供が自慢のおもちゃを紹介するような無邪気さ。こんな大人、いいなぁ。
葛湯をいただきながら聞いたり見たり。コップは江戸時代のものらしい。
おそらく店内で唯一の調理家電ぽい炊飯器∑(゚Д゚)
突き出しは半日かけて炊飯器で仕込んだ酒粕の煮物です。なんかあと、あられとかお菓子をいろいろくれました。おばちゃんか!
建物はたしか1970年代のとても古くて歴史的価値のあるものらしく、雑誌でも取り上げられたそうです。
こちらに写っているチーママにもお会いしました。すぐ買い物に行っちゃったけど。
いやーしかし、平凡パンチて週間であんなエロな話題をずっと提供していたなんてすごい!ガロの泉谷しげるの漫画も珍しいし、中原淳一のそれいゆも読めたし、なぜか大島渚の奥さんの写真まで堪能しました。しょっちゅう飛ぶゆーみんのレコードもいい味出してた。結構サブカル界の有名な人々も訪れるそうです。
お会計はマスターの二杯を含めて、二人で7000円。ええ〜っ!葛湯とお菓子でっΣ(゚д゚lll)一時間以上いるとチャージがかかるシステムだそうです。
まぁサブカル閲覧代と思えば…納得できるようなできないような。
しかし、なんと一年半後にはお店を締めるつもりだとか!
北千住でサブカルにどっぷり浸かりたい、なんだかおもろい人に会ってみたい人にはおすすめです。
ちなみに、マスターは二軒目の店先まで案内してくれたよ!めっちゃいい人!
予算/ドリンク2杯とおつまみ?で3500円くらい
エリア/北千住